北原は彼女からプレゼントを貰った事がない。誕生日もクリスマスも何かの記念日も。今まで彼女がいなかったわけじゃない。ただその時期になると彼女と別れたり喧嘩をしたりしてタイミングを逃している。
だから彼女がいる時、誕生日・クリスマス等のイベントが近づいてくるとこの嫌なジンクスを思い出す。
俺は人の誕生日を祝うのが好きだ。というよりもめでたいイベントと言うべきかな。相手の喜ぶ顔を見るのはとても良いものだ。プレゼント選びの時なんか自分の物でもないのに時間を掛けてワクワクしながら探してしまう。その相手が彼女だったら一層ワクワク感は増す。
友達によく彼女からどんな物をもらったか聞く。ポールスミスの時計、家で手料理、お揃いのネックレス、財布等のもらって嬉しい王道からレコードプレーヤーといった相手の心の底から欲しいといった物まで様々だ。
俺は、人に喜んでもらうのは好きだけどいざ自分が逆の立場になった時、どーしたらいいかよく分からなくなってしまう。優しくされるとなぜか素直に喜べない。だから、あんまり自分の誕生日って強調しない所がある。
でも、心の底では祝ってもらいたい気持ちもある。んー、めんどくさい奴だな。
正直、彼女からプレゼント貰いたい!!
毎年、イベント時期になるとバレンタインのチョコなんていらないとか言ってるくせに下駄箱とか机の中に入ってないかな?って淡い期待をしている男子生徒みたいな気持ちになる。
物が欲しいっていうか、こう、なんて言うんでしょうね。相手が俺の事考えてプレゼントしてくれる気持ちが欲しいと言うべきでしょうか?
そうすれば少しは素直じゃない北原も素直に喜ぶ事ができる北原になれるんじゃないかと思うのです。
はぁ、それにしても何て嫌なジンクスなんだ。
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