「イヴ・サンローラン」
★★★★★★☆☆☆☆6/10
「モード界の帝王」イヴ・サンローランのドキュメンタリー映画を有楽町にある、テアトルシネマで鑑賞してきた。
娯楽映画と違ってドキュメンタリー映画ってとても淡々とした雰囲気だから、映画館はガラガラだろうと思って行ってみたわけだが、中から香水の香りがプンプンと匂ってくる。銀座のおばちゃま達がたくさんいらっしゃった。おばちゃん達に囲まれながら鑑賞。すると、隣の隣のおばちゃんが隣のおばちゃんに映画の話をしていた。ずいぶん映画に詳しいようで、この間見た映画は私が撮った方が面白くなった・・・とおっしゃっていた。友達らしいおばちゃんは聞いているんだかいないんだかな反応。というより、無理矢理連れてこられた感じが・・・。
映画が始まる。少しもの悲しげなピアノと手描きのかわいい絵が映し出されるとても印象的なオープニングだった。しかし、ピアノの音に混じって隣から変な音が・・・?
ごお~・・・ごお~・・・
隣のおばちゃんは開始30秒でお昼寝されました。何しに来たんだこの人は?
隣の隣のおばちゃんはイヴ・サンローランの眼鏡に夢中のようだ。
さて、映画の方はというと、イヴの盟友でありビジネスパートナーのピエール・ベルジェの語りと共に、Diorのディレクターに就任した時代からの貴重な写真や映像を織り交ぜて描かれる。画面に写る映像の9割近くが未公開のものであるということで、ファッション関係者や洋服好きにとっては一見の価値ある映画だと言える。
21歳という若さで、Diorのディレクターに就任。その時点で普通の若者と同じ青春はできなくなる。インタビューで「何も考えないで世界中を旅をしたい。馬鹿をしたいんだ。」と答える彼の目はなんとも悲しそうだった。内向的な彼が抱えていたプレッシャーは半端ではなかったんだろう。
映画が終わると、オープニングで彼が記者達の前で、引退を発表する場面を思い出す。
-人生でもっとも大切な出会いは、自分自身との出会い-
んー、深い。
映画館が明るくなると、隣のおばちゃんは目を覚ました。
隣の隣のおばちゃんが、
「おもしろかったね~」と言う。
「そうだね~」と答えていた。
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