私は、とある用があって病院へやってきた。隣の椅子に凄くおっかない雰囲気の若者が座った。看護婦さんがその若者の前へやってきた。看護婦さんはふっと、自分の足元を見るなり大声を上げた。
「で、で、でっかいゴキブリ!!」
ゴキブリは若者の足元へ。
「ひっ!!」
厳つい若者は飛び上がった。
看護婦さんは仕事放棄状態でパニクってて、誰かに退治してもらいたいようだ。
若者と目が合うと、
「俺虫とか無理なんすよ~・・・」
でっかいゴキブリは縦横無尽に病院内を徘徊していた。誰も捕まえようとしない。このままでは病院がピンチだ。とりあえず、さっき道端でもらったティッシュを丸めて、ゴキブリを捕まえて燃えるごみの中へ捨てた。
病院内は拍手喝采!!
やんややんやだ。
隣の若者になんだコイツは・・・みたいな目で見られていたが視線は合わせないようにした。(顔怖いし)
怖くないんですか??と看護婦に聞かれた。
「男ですから。」
とりあえずかっこつけといた。本当は実家が田舎だし、仕事柄ゴキブリとかとはよく遭遇するからそんなのなれっこなんだ。
でも、女性はいいとしてやっぱり男はゴキブリくらい退治できなきゃいかんだろとは常々思う。都会の人は虫と触れ合う機会がどんどん失われている。そういう事も原因なんだろうが、女性に虫やっつけてと言われて、怖いから無理なんて、俺は男として口が裂けても言いたかないね。
正直、あの若者の顔の方がよっぽどおかっかなかったわ。
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