とある山手線での出来事。
6歳くらいのかわいい男の子とお母さんが恵比寿駅より乗車しました。
車内は1人分の席しか空いていません。男の子は一目散に座りました。
しかし、お母さんは座れません。
お母さんは乗車口の端っこに立っています。それを男の子はずっと見ています。
すると、突然席を立ち上がるとお母さんの方へ駆けて生きました。
「お母さん、座っていいよ。」
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携帯電話をいじくっているお母さんは、息子の優しさに見向きもしません。
男の子はどうすればいいのか分からなくなってしまいました。
お母さんの返事がないので仕方なく、お母さんと両向かいに立ちながら児童文学と思える本を読み始めました。
五反田駅に着くと車内は少し空いてきて、2人分の席が空きました。
お母さんは無言で男の子の手をとり、歩き始めました。
しかし、席に座るわけではなく、ドアが開かない方のドア側へ移動しただけでした。
お母さんはカバンから、名探偵コナンの最新刊を取り出すと楽しそうに読んでいました。お母さんと少し距離を空け、男の子も本を読んでいました。
まるで、お母さんが本を読むのを邪魔してはいけないと察しているかのようでした。結局、2人は一言も言葉を交わす事もなく電車を降りていきました。
本を途中で中断されたお母さんはとても機嫌が悪そうです。
今日も電車の中という移動手段に過ぎない空間の中で、様々なドラマが起こっているでしょう。
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