「ソーシャル・ネットワーク」
★★★★★★★★★★☆9/10
鑑賞前の注意・・・
①鑑賞中に「フェニックス」とか「ファイナル・クラブ」という言葉が出てくるが、これは大学生の社交クラブのことである。入会するには厳しい試験を受けなければならない。何が目的なのか?・・・多くは女の子が目当てである。現実とネット、双方の出会いの場を対比させながら見てみると面白いはず。
②この物語はあくまで、事実に基づいて作られたフィクション・・・くらいの意識で見るべきである。この映画は「facebook 世界最大のSNSで、ビル・ゲイツに迫る男」という本を基に作られている。著者はマーク・ザッカーバーグに何度もインタビューを試みたが断られている。なので、この物語で描かれているマークはあくまで客観的にイメージされた人物なのだという事。だから、事実に基づいてはいるが、相当な脚色を加えている事を観る人は理解しておかなければならない。
③主人公はオタクキャラという事。そして、この物語は大学生の時に起きた話だという事を今一度把握しておいた方がよい
④無知で観ない方が良い。この映画は観客に知識を求めている。SNSに対する知識やビジネスの知識がないと置いてけぼりを食らうかもしれない。無知で観ても楽しめる作りだが100%の満足は得られないと思う。
本編
デビット・フュンチャー監督作品の特徴は、観客を一気に映画の世界へ引き込むスタイリッシュなオープニングである。そして今回もやってくれた!マークというキャラクターを3分程度で表現し、私達に「なんなんだこいつ・・・」と思わせてくれる。オープニングからマークはしゃべりまくるわけなのだが、この映画、とにかく台詞が多い。江川達也の漫画並だ。(言い過ぎたかも)
そして、進行がとにかく早い。鑑賞前の注意で無知だと置いてけぼりを食らうといったのはこのあたりが理由だ。一切の無駄を省いて、重要なところを詰めまくって見せる2時間。一瞬たりともスクリーンから目を離す事が出来なかった。
映像も美しく、見事な編集、役者達の素晴らしい演技(特にマークを演じたジェシー・アイゼンバーグは超はまり役)、難しい原作を見事に映画の台本へ脚色した脚本家アーロン・ソーキン、トレント・レズナーのサントラも必聴!!
なんて贅沢な時間だったんだろう。映画はあっという間だったが上映時間が2時間と思い出すと、それだけだったの??と疑ってしまう。
映画を観終わって、いくつかの言葉が思い浮かぶ。
天才
若い
成功には必ず犠牲が付き物
現代っ子
嫉妬
エゴ
現実社会
友情
孤独
「ソーシャル・ネットワーク」はfacebook設立までの話を、マークに対する訴訟問題をベースにしながら描かれているのだが、この物語に悪人はいない。むしろ、みな良い事をしようとしている。ここがこの映画の一番面白い所と私は感じる。道徳において私達をもっとも悩ませるのが善と善が争っている事だからだ。防ごうと思えば防げた問題なのに・・・そう思うと私は上記した言葉が思い浮かぶ。
犠牲なくして、5億人の友達は作れない。
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