世界で一番美しい映画を撮る監督と言っても決して言い過ぎではないテレンス・マリック監督(「天国の日々」/「シン・レッド・ライン」等)の最新作「The Tree of Life」の予告編が公開された。
本当は今年のカンヌに出展する予定だったらしいが、製作が長引いてしまった為、どうやら来年のカンヌの特別招待作品として上映されるようだ。主演はブラッド・ピット(本当はヒースレジャーが演じる予定だった)、共演はショーンペンと、人気と実力を兼ねそろえた2人なだけに結構期待させられる。
予告を見ただけでハッキリと分かる物語ではないようだ。色々と調べたが、謎に包まれた作品だ。インタビューでブラットピットが少しだけしゃべっていたところだけ抜粋すると、
これは父と子の物語。1950年代に生まれた子供が優しさを絵に描いたような母親と、それと正反対の暴力的な父との間で育てられ、少年はどちらの人間になりたいのか考え始める。
あくまでこれは物語の一部に過ぎず、宇宙の壮大な物語と並列したりして、SF的要素も絡んでくるという。なんとも哲学的な物語になりそうだ。「2001年宇宙の旅」へのオマージュなのではないかと思えてならない。
因みに、タイトルのtree of lifeとは生命の木という意味を持つ。
旧約聖書の「創世記」中に出てくるエデンの園をご存知だろうか?この世界の理想郷の事であり、アダムとイヴがここを管理していた。エデンの中心に善悪の知恵の木と生命の木が植えられていた。善悪の知恵の木に生えている実を食べてはならぬと言われていたのに、イヴはその約束を破り食べてしまう。そして、2人は楽園を追放される。
ほとんどの人が聞いたことあるお話だと思う。個人的にはここで描かれている生命の木が映画とリンクしてくるだろうと踏んでいる。だから間違いなく予習しておいて損はない!
もちろん、物語も木になるなる所だが、テレンス・マリックの映画は音声無しで見てもその映像美だけで圧倒されてしまう迫力がある。今回の作品では「ダークナイト」でも使用されたIMAXカメラが使われる。まさに鬼に金棒とはこの事である。
アメリカでは2011年5月27日から公開される。日本ではいつ公開されることやらか。とにかく、ヒットするとかしないとかはもはやどうでもいいとして、映画史に残る傑作になる事を期待させる予告であった事には間違いない。
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