私は幽霊を信じません。だから、よく信じている人と話をすると口論になります。信じない理由はただ単に自分が見た事がないから、といういたってシンプルな理由。
多くの人が幽霊や心霊現象に恐怖を覚えるけれど、見たこともないものに対して俺は真の恐怖を覚える事ができない。それは、映画等で描かれている幽霊などは人が人を怖がらせることを目的に作ったデザインなのだから、怖い気持ちにさせられるのは当たり前だ!と思ってしまうからなのだ。
結論、それを生み出しているのは人間の頭の中ということ。
だから、幽霊とかよりも私は遥かに人間の内側に潜む狂気の方が怖い。しかし、そうは言ってもその狂気をなぜか覗いてみたくなる人間の衝動という本質。私自身、よくそういう類いの恐怖映画を見る。今日もそんな映画を見終わったばかりだ。
タイトルは「ミザリー」
「スタンドバイミー」の原作者・スティーブン・キングと監督・ロブ・ライナーが再びタッグを組んで作ったサイコスリラーの傑作。
人気作家のポールは、自分の代表作である「ミザリー」のシリーズを終わらせる事により、新境地を開拓しようとしていた。人里離れた雪山で、主人公のミザリーが死ぬというラストを書き上げ、原稿を持って下山する途中で遭難してしまう。それを、この土地に住む元ナースであり、自称ナンバーワンのファンであるアニーというおばちゃんに助けてもらい、彼女の家で看護を受ける。アニーは、ポールに「ミザリーの原稿を読んでもいい?」とお願いする。熱狂的ファンの彼女が原稿のラストを読み終えた時、悪夢が始まる。
この映画でおばちゃん役を怪演したキャシーベイツはこの作品でアカデミー賞助演女優賞を受賞。リアル過ぎて演技とは思えません。こんなおばちゃんいたらヤダ。でも実際いるだろうな、こういう人。
人間の狂気を描く映画はこの他にも沢山あります。例えば・・・
どれも危険レベルAの映画です。特に「悪魔のいけにえ」は日本のホラーゲーム界にも多大な影響をもたらした古典的傑作。でも、見ることは決して薦めません。むしろ見なくていいです。何でかというと、大体の恐怖映画は見終わって、「あー、怖かった。」とか「案外怖くなかったね。」程度で片付けられます。しかし、今紹介したような映画は、
こういうことってありえそうだ。こんな人いる・・・
というように自分事に思えるからリアルだし、胃もたれみたいに鑑賞後に残る映画なんです。だから私は、自分から人へ「面白いから見て!」と、後で人間性を問われるようなリスクは背負いません。
因みに上記で紹介した映画は、映像的はあまりグロクありません。「ソウ」のシリーズ見れる人なら余裕でしょうし、物足りないでしょう。
誰にでも持っているかもしれない人間の狂気って怖いですね。怖いもの見たさとかって、そういう本質が自分にもあるかもしれないという事への確認作業なのかも。そして、その内それが習慣化されもっと欲求は深まっていく。幽霊の方がよっぽどましかもと思ってしまいます。もしも幽霊がいるとして、なれるもんならなってみたいですね。だって幽霊には良い幽霊も悪い幽霊もいるんだろうから良いなりに未練を残して、俺は映画館にとりついて映画をずーっと見ていたい。
もちろん、こんな怖い映画ばっかはごめんだけどね!
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