「トゥルー・グリット」
★★★★★★★★☆☆8/10
主人公は14歳の女の子。父が殺されたというのに悲しい顔一つ見せません。彼女は誰も頼りにならないから自ら率先して父の敵討ちをする為に行動をします。口が達者な事を武器に、大人を相手にお金の取引をして手に入れた金で、腕利きの保安官を雇います。しかも、犯人の追跡に動向すると言い出します。挙句の果てには銃を構え、怯える事無くその引き金を引く姿まで見せてくれる14歳。
ありえないっしょ!
でもね、この映画は彼女がありえない14歳だからこそ意味があると思うんです。
14歳をすでに終えた、私たち大人の男たちが14歳の少女の勇敢な姿を見て何を思うのか?
腕利きだが酒ばかり飲むベテラン保安官と、テキサスの若者カウボーイの気持ちの変化がそれに答えてくれます。
復讐する事が良いか悪いかとか、こんな14歳いるわけないやろという事を意識し過ぎてこの映画を評価してはいけないと思いました。
考えさせられる部分もたくさんありましたが、ここ最近では珍しい純粋な西部劇を見た気持ちになりました。私の中では「許されざる者」、「ダンス・ウィズ・ウルブス」以来の傑作です。
哀愁漂う写実的なカメラワークやセンス溢れる音楽に浸りながら、時々放たれる一発の銃弾にハッとさせられます。「ワイルド・バンチ」みたいなドンパチやかましい西部劇ではなく(決して嫌いじゃない)、とても静かな西部劇です。この雰囲気が好きな人には堪らない映画でしょう。
言うまでもありませんが、ジェフ・ブリッジスが最高にかっこよかったです。
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