[米騒動]
米の流通量の減少や価格高騰によって、民衆が米を入手しづらくなる事が要因となって起こる騒ぎ等の事である。 「米騒動」は過去に1890年・1897年・1918年・1993年と過去に4回起きている。この中で最大規模になったのが1918年米騒動である。
1918年、資本主義の急速な発展により、日本は好景気になり、都市部は人口増加・工業労働者の増加をもたらした。農家はこれまでムギやヒエといった食生活から米のを中心に食べる生活に変化していった。このように、農業界の人手不足と米の消費量の増加が続いた事に加え、第一次大戦の影響で米の輸入量が減少した事も重なり米価暴騰の原因となった。
当時の一般社会人の月収が18円~25円(今なら18万~25万)に対して米は10合(1.5㌔)で50銭(今でいうなら5000円くらい)という気違いな価格へ暴騰した。ちなみに現在、「あきたこまち」は10㌔で約5000円位で買えます。民衆は「ふざけんな!」と米問屋を打ち壊す等して、値下げを強要した。参加者は100万人にも及んだ。政府は最初は米の安売りを実施したが、騒動のせいでもう米価が下落した印象があるなと言って、安売りを打ち切った。騒動が終わり、最終的には騒動が始まった時と同じ値段で米が販売されたのだが、この時には国民の実質収入が増加しており、騒動の再発はされなかった。
1993年の米騒動は冷夏が原因であった。僕らの世代でも実際に体験して、身に覚えがある人が多いのではないだろうか。俺の家ではタイ米を大量に買ってそれを「まずいよ~」と言いながら食べていた事を思い出す。このタイ米は俺の家族以外にも不人気で、後に不法投棄されるなどの社会問題に発展した。
その一方で、品薄感のあった国産米を買い溜める為に米屋・コンビニエンスストアに駆け込むお客が殺到し、長い行列ができた。結果、米屋に米がないという事態になった。騒動が収まってから、日本の食料政策や国際的モラルに大きな課題を残す事となった。
とまぁ、ここまで長々と「米騒動」の歴史を振り返ってみたわけだが、今年の10月1日よりタバコ増税が始まり、9月30日までに愛煙家達はまるで「米騒動」とばかりにタバコをカートン買いしていた。タバコ屋から50カートン盗むという奴までいる始末だ。その一方、50カートンまとめ買いのモンスター級の奴までいた。日付変更前のコンビニエンスストアも異常な盛り上がりだった。
店員:「あと三分で値上がりですよー!!もう、今しかないですよ!」
客:「2、2カートン!・・・・・・・い、いや、5カートンで!!」
アメ横か。
そして、値上げ後の静まり返ったタバコ屋とコンビニの模様がニュースになった。昨日までの盛り上がりがうそのようだ。このまま禁煙ブームが加速して、タバコ産業で働いている人達は路頭に迷ってしまうのか。知り合いのタバコ業者の人は10月以降は新しい仕事を探すと言っていた。
100円上がるというだけでこの騒ぎ。昔となんら変わらないような気がしてくる。今回の増税は何の為なんだろうか?気づけば増税の意味・使われ方よりも「禁煙するか?しないか?」の論争へ話を持っていかれた感がある。いつになったら日本の政府はしっかりするのか?こんな時代だからこそ、改めてモラル(道徳)について考え直す必要があると思う北原は早速、ハーバード大教授、マイケル・サンデルの「これからの正義の話をしよう」を読み始めるのであった。
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